「灯台下の金魚さん」カイコユキさん
不思議な文香屋の店主”金魚”さんは眼鏡美女だったり青年だったり幼女だったり。
そんな金魚さんのともに、手紙に縁をつながれた人々が訪れる連作シリーズです。
戦時中も戦後も小説やドラマでしか知らない世代ですが、
今回のお話は嵐が去った後のなんともぼんやりけだるい世相の感じがリアルで、お話世界に引き込まれます。
手紙を残して逝った友の真意を知って涙する主人公の表情にもぐっときます。
金魚さんのシリーズは巻をまたいで
そこここに登場人物のつながりを示唆する苗字とかが出てくるので、そちらも気になってしまいます。
イベントごとのほぼ限定頒布らしいのですが、まとめ本出されるらしいので楽しみです。
「管制塔、応答せよ。」喜多双喜さん
本の片方ずつから読み進めて、真ん中でお話が終わる面白い趣向の漫画です。
片方は大きなお屋敷に住む女の子、片方は友人に少年時代の思い出を語るダンディーなおじさん。
いったい二人の物語が真ん中でどうつながるのか・・・読んでみてのお楽しみです。
ちなみにこのリーナスおじさんのほうは、同じ作家さん別の短編集「Keywords」にも出てきます。こちらもするする読めるお話がたくさんはいっていて、とても満足感がある一冊です。
コーヒーのおいしい喫茶店のカウンターに置いてお客さんにのんびり読んでもらいたい雰囲気の漫画です。
「吸血異聞 ネームワークコレクション」西 義之さん
「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」などを書かれていた漫画家さんの、ボツネームを再録した同人誌です。
むちゃくちゃ丁寧なんですが・・・ネームとは・・・。
ちょっと俺サマな吸血鬼が、食べたパンがものすごく気に入り、パン屋のお店の少女と仲良くなるお話です。二人にはちょっとした過去があり・・・。
ネームは見ていてたのしいです。出版事情に関わらない掘り出し物が見つかるのがコミティアの楽しいところです。
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